役員の選び方
役員である理事や監事は社員総会で選出します。
社員総会の決議は普通決議で良いため
- 総社員の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数
で決議します。
同様に役員の解任も社員総会で行いますが、理事と監事で決議方法が異なります。
理事の場合は選任時と同様に普通決議で結構です。
監事の場合は特別決議となるため
- 総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上
で決議します。
いずれにせよ、社員が一人しか存在しない一般社団法人の場合はその社員の独断で役員を決めることが出来ます。
理事会を置く場合、代表者(代表理事)を理事会で決めることになります。
理事会の決議方法には社員総会のように普通決議や特別決議などの違いはなく
- 議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数
で決議します。
代表者(代表理事)を解任するときも上記同様の決議方法で行います。
候補者の選任
役員の選任にあたって立候補制しか採用できないかと言われれば決してそんなことはありません。
候補者の選任方法には幾つかのパターンがあり、各法人によって独自の選出方法を取ることが可能です。
例えば
- 理事会が候補者を選出する
- 他の団体の推薦
- 選考委員会を置く
- 代表理事の推薦
といった具合に自由に設定することが可能です。
もちろん、これらの規定を置く場合は諸規定として文書化した上で社員に周知しておく必要があることは言うまでもありません。
また、上記のような規定を設けたとしても社員総会における立候補を禁止することは出来ません。
例えば、社員総会において社員による社員提案権が提出された場合などです。
社員には
「社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる」
権利があるため、そういった社員の声を無視することは出来ません。
上記で箇条書きしたような規定を置いたとしても、そこで挙げられた候補者は単なる「候補者」に過ぎないため、正式な役員として選出されたわけではありません。
役員の選出はあくまでも総会決議によって行うため、普通決議に必要な議決権が集まらなければ役員に就任することは出来ません。
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