社員の入会規制

他のページでも触れているように、社員の入会規制(入会条件)を設けることが出来ます。

これは普通法人型、非営利型(非営利徹底型・共益型)に加えて公益社団法人でも入会規制を設けることは可能です。

例えば私自身に関係のある法人として「公益社団法人リーガルサポート」という法人があります。

この法人の入会規制は

「司法書士資格を有すること」

となっています。

つまり、司法書士資格を持たない(登録していない)人は社員(正会員)になれません。

これは非常に限定的な規制(条件)であると言えます。

このように、法人の運営内容によって入会規制を自由に設定することが可能です。

NPO法人でこのような規制を設けることはほぼ不可能なため、「一定の入会規制を設けたい」という事が決め手となり、一般社団法人を設立されるケースが非常に多く見られます。

共益型について

非営利型法人の共益型はまさしく上記のような入会規制を設けるに適した体系と言えます。

もともと、一般社団法人は「人の集まりに法人格を与える」というところが出発点です。

  • 町内会
  • サークル
  • 同窓会
  • 一定の資格保有者

といったように、これまでの活動内容や今後の運営を見据えて入会規制を設けることで、法人運営がより一層円滑に進むのではないでしょうか。

この入会規制は途中で変更を加えることも可能です。

退社に条件付けは可能か?

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の第29条には法定退社のことが書かれています。

  • 定款で定めた事由の発生
  • 総社員の同意
  • 死亡又は解散
  • 除名

上記の場合、社員は退社することになります。

では、定款で「社員が不正な行為を行った場合に退社させる」という規定を設けることは出来るでしょうか?

これについては「出来ない」と言えます。

「不正な行為」という点が抽象的であり、法定退社(定款で定めた退社事由)としては認められません。

この場合は「除名」という手続きを行います。

除名については同法第30条に触れられており

「社員の除名は正当な事由があるときに限り社員総会の決議によってすることができる。この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない」

とされています。

つまり、不正行為を行った社員に対しては「事前に」そのことについて把握させ、社員総会において弁明をさせる機会を与えなければなりません。

「不正行為をしたから退社」という事では「何が不正だったのか」という点が曖昧なため、それだからと言って自動的に退社させることは出来ません。

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