役員と社員の役割
設立時の役員は種類に応じて1~3人の理事が必要です。
社員については2人必要ですが、設立後すぐに1人になっても問題ありません。
以下、役員と社員の役割について見ていきましょう。
役員とは
一般社団法人の役員とは
- 理事
- 監事
の事を指します。
※会計監査人を役員に含めて説明されるケースがありますが、法律上、会計監査人は役員ではありません。
理事
理事は一般社団法人の種類によって必要な人数が異なります。
普通法人型の場合は理事は1人用意すれば大丈夫です。
非営利型の場合は最低3人が必要になります。
以下に該当する場合、理事に就任することが出来ません。
- 法人
- 成年被後見人、被保佐人など
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律、破産法等倒産法制違反による一定範囲に該当する者、及びその他の法令により禁固以上の刑期中の者など
また、上記に加え監事については
- 一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることが出来ない
とされています。
非営利型の場合は、
- 各理事について、その理事及びその理事の配偶者又は3親等以内の親族その他のその理事と一定の特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が3分の1以下であること
上記の条件が付きますので、親族だけで非営利型を設立(運営)することは不可能となります。
理事の任期は「選任日」より2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までとされています。
例えば、事業年度が4月1日~3月31までの一般社団法人を平成27年2月に設立するとします(定時社員総会を6月に行うと想定)。
この場合、設立時理事の任期は平成28年に開催される定時社員総会の終結をもって任期満了となります。
これは、平成27年2月に設立をして翌月3月末に1期目が終わるため、2期目が終わる平成28年3月のあとに開かれる定時総会終了後までが任期となる、という考え方です。
加えて、上記同様の条件で一般社団法人の設立を5月に行ったとします。
この場合、理事の任期は平成29年に開催される定時社員総会終結時となります。
加えて、任期を考えるときは「就任日」ではなく、「選任日」であることを間違えないようにしましょう。
監事
監事は法人のお目付け役的な立場です。
監事は理事の職務執行を監査し、監査報告を作成しなければなりません。
いつでも理事や使用人に事業の報告を求めることが出来ます。
監事は普通法人型の場合には置く必要はありません。もちろん、置くことに問題もありません。
理事会設置型の場合は必ず監事を1人以上置く必要があります。
監事の任期は選任日より4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までとされています。
なお、定款に規定することによって、任期を2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までとすることを限度として期間を短縮することが可能です。
社員とは
一般社団法人の社員とは法人の従業員の事ではなく、総会における議決権を有する人を指します。
一般的に「社員」と呼ぶものは法人の「正会員」という位置付けになります。
ただ、社員(会員)にも幾つかの種類があり、自由に設定することが可能です。
- 社員(正会員)
- 賛助会員
- 名誉会員
- 特別会員
上記のように会員の種別は法人によって自由に設定することが可能です。
通常は社員(正会員)と賛助会員を置く形で法人をスタートさせることが一般的です。
賛助会員とは会費だけを法人に支払い、議決権は持たない形となりますので、法人を資金面で支えるような存在です。
上記で他の会員として「名誉会員」「特別会員」と記載しましたが、どういう会員を置くかは自由ですし、その呼び名も自由です。
ただし、当然のことながら複数の種類の会員を置いた場合はそれぞれの会員がどういう位置付けなのかを定款や会則(規則)などで明確にしておく必要があります。
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